江戸時代にはすでに巨樹の風格を備え今も育つ続ける4本の大杉
可部の福王寺山の間を縫うように走る中国自然遊歩道を一時間も登ると、やがて福王寺の山門にたどり着きます。これをくぐって石段を上がると4本の杉の木が見えてきます。
大人が数人かかってやっと抱えられるほどの大杉が、ずらりと並んでそびえ立つ様は、見る人を圧倒します。
かつては5本並んだ燈明杉として知られていましたが、昭和57年(1982年)に真中の1本が枯れて伐採されたため4本になりました。その4本のうち、山門に近い2本には落雷による焦げ跡が上から下へと走っていますが、どの木も樹勢は旺盛です。
昭和48年(1973年)の調査では胸高幹囲が310cm~502cmだったものが、現在は387cm~522cmに増えており、まだまだ成長し続けていることがわかります。
『陰徳太平記(いんとくたいへいき)』によると、福王寺は天長5年(829年)に空海が開基したとされていますが、この杉がいつ植えられたものか、なぜ燈明杉と呼ばれるのかについては伝えられていません。
ただ、江戸時代の地誌『芸藩通志』には「燈明杉」の名が記されており、すでにその時代には巨樹の風格を備えていたことをうかがわせます。
所在地:広島市安佐北区可部町綾ヶ谷251 福王寺境内
指定年月日:昭和48年(1973年)5月30日
概要:樹高23~40m、胸高幹囲3.10m~5.02m
INFORMATION
- 住所
- 〒731-0236広島県広島県広島市安佐北区可部町綾ケ谷251 福王寺境内
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