むかし尾道に住む漁師が、四国へ漁に出た帰りに、一人の旅僧から「どこでもよいから舟の着いたところへ降ろしてもらえないか」と頼まれ、快く舟に乗せました。因島の浜辺へ降ろしたところ、たった一人乗せたはずの旅僧がみるみるうちに増えて88人の僧が次々と上陸しました。この話が人から人へ伝えられ、弘法大師が因島へ渡られたという噂が広まりました。その後も奇跡的なことが続いたので、明治45年に、因島の全村が話し合い、島四国として因島八十八ケ所の霊地を設けることになり、全島民の奉仕でつくられました。全巡拝路程は84キロメートルあり、3日間のハイキングコースに好評です。旧暦3月21日を中心に、大師の遺徳をしのび、島四国を尋ねる参拝者は多く、各札所では島の人が接待をします。通常は、各お堂は無人で朱印もありません。