広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」。サイクリングルートとして高い人気があり、「サイクリストの聖地」としてもその名は全国に知られています。
サイクリストの聖地「瀬戸内しまなみ海道」とは
絶景を走り抜けよう!
「瀬戸内しまなみ海道」は西瀬戸自動車道の愛称で、本州・広島県尾道市と四国・愛媛県今治市を全長約60km(サイクリングロード約70km)で結ぶ架橋ルートです。その区間には大きな島が6つあり、それぞれに形の異なった架橋で結んでいることから「橋の美術館」とも呼ばれています。この「瀬戸内しまなみ海道」の最大の特徴は、日本で唯一、海峡を横断して、徒歩や自転車でも渡ることができること。米CNNの「世界で最もすばらしい7大サイクリングコース」にも選ばれ、世界屈指のサイクリングコースとして名を馳せるのみならず、世界中からサイクリストたちがやってきています。また、この瀬戸内しまなみ海道を舞台に、供用中の高速道路を通行止めにして実施した国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」なども開催され、2019年11月には、しまなみ海道サイクリングロードが「ナショナルサイクルルート」として国から指定を受けるなど、日本を代表し世界に誇れるコースとなっています。
【注目コラム】
「瀬戸内しまなみ海道」X台湾「日月潭(にちげつたん)」
「瀬戸内しまなみ海道サイクリングコース」と台湾の「日月潭(にちげつたん)サイクリングコース」は、2014年に姉妹自転車道の協定を結びました。この協定と同年に開催された国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」を記念して、重点「道の駅」多々羅しまなみ公園(今治市大三島)内には「サイクリストの聖地碑」が設置されています。これは瀬戸内しまなみ海道振興協議会と台湾サイクリスト協会が、瀬戸内しまなみ海道が「サイクリストの聖地」として多くの人々に愛されることを願い、建立されたものです。
しまなみ海道の情報はSHIMAP
活用できるWebサイト!
SHIMAP(シマップ)Webサイトでは、サイクリング情報のほか、沿線の観光施設等の情報がまとめられています。
【注目コラム】
ブルーラインって?
〜初めてのサイクリングでも安心〜
「瀬戸内しまなみ海道」には、初心者でもサイクリングしやすいように車道の左側にサイクリングの推奨ルートを明示するブルーラインが整備されています。JR尾道駅からJR今治駅まで道に迷わずにサイクリングを楽しむことができます。
さまざまなスポットを巡り、しまなみサイクリングを満喫しよう
いざ、しまなみサイクリングへ出発!
ここでは、広島県尾道市側から順番に各島をめぐります。絶景スポットや注目の飲食・スイーツ情報など、立ち寄りたくなるスポットが盛りだくさんです。
向島
映画のロケ地が点在
向島は尾道水道をはさんで尾道と向かいあっており、尾道市街とは新尾道大橋、尾道大橋、そして3つの渡船で結ばれています。尾道水道を行き交う渡船は便利な上、どこかノスタルジックで旅情たっぷり。温暖な気候を利用して果樹や花の栽培が行われており、特に洋ランの栽培は盛んです。また、大林宣彦監督の映画のロケ地もあり、多くのファンが訪れています。「村上水軍」の見張り台があった瀬戸内海国立公園の高見山や巨石群が点在する岩尾山は、ぜひ立ち寄りたい絶景スポット。その他、映画「男たちの大和」のロケ地として知られる岩子島 厳島神社も向島にあります。サイクリング途中には、オシャレな食堂兼カフェの「立花食堂」、カカオ豆と砂糖のみで作られる絶品チョコレートを販売する「ウシオチョコラトル」、立花海岸のヨットハーバーに面した可愛いパン屋「スリール」などで休憩をとるのもおすすめです。
因島
村上水軍本拠地の島
因島は中世に瀬戸内で活躍した村上海賊のうち、因島村上家が本拠地とした島で、全国でも珍しい城型の水軍資料館(因島水軍城)があります。瀬戸内海のビューポイントであり参道や山頂付近に点在する五百羅漢の石仏が印象的な白滝山や、因島公園、花に囲まれた芝生広場でゆったりくつろげる因島フラワーセンター、大浜崎灯台や灯台記念館、そしてキャンプ場などがある因島大橋記念公園などは人気のスポット。はっさくや安政柑の発祥の地、囲碁の本因坊秀策の生誕の地でもあります。サイクリストならば、通称自転車神社と呼ばれる大山神社でのお参りも欠かせません。しまなみの旬の食材を使った絶品インド料理を味わえる「しまなみカレー ルリヲン」、はっさく大福で知られる「はっさく屋」、サイクリングの休憩所を兼ねたカフェテラスである「菜のはな」など、気になる料理やスイーツも満載です。
生口島
人気のグルメやスイーツも!
全国でも有数の柑橘類の生産地。特にレモンの栽培は明治時代より行われていると言われ、近年では農薬使用量を減らして皮まで食べる「エコレモン」も生産されています。ほか、平山郁夫美術館や耕三寺博物館、野外彫刻作品が点在する島ごと美術館など、歴史と文化の香りにあふれているのも特徴です。美しい瀬戸内海の夕陽を満喫できる「瀬戸田サンセットビーチ」や、鳥が翼を広げたような美しい姿が印象的な「多々羅大橋」は特に必見。地元でとれたタコを天ぷらにしたり、混ぜ込んで炊いたりするタコ料理は自慢のグルメです。その他、地元で作られたフルーツや食材で作ったジェラートを提供する「ドルチェ」や、古民家を利用したカフェバーであると同時に、自転車整備士による修理なども行う「自転車カフェ&バー汐待亭」、しおまち商店街の中にある「岡哲商店」のコロッケ、「玉木商店」のローストチキン、地元のレモンを使ったお菓子が人気の「島ごころSETODA」、サイクリスト専用の小さなお宿「輪空」などにも多くのサイクリストが集います。
大三島
必見の観光スポットがいっぱい
芸予諸島最大の島であり、武具甲胄類の国宝を多数有する大山祇神社があることから、「神の島」「国宝の島」と呼ばれてきた大三島。多々羅大橋のたもとにある多々羅展望台の周辺には、村上三島記念館や多々羅キャンプ場、サイクリングターミナルや特産品センターなどが集まった重点「道の駅」多々羅しまなみ公園があり、多くの観光客で賑わっています。島内はサイクリングロードも整っており、「伯方の塩工場」の見学施設、現代彫刻の美術館である「ところミュージアム大三島」、温泉…と、さまざまな楽しみ方ができます。レンガ釜で焼き上げるピッツァが人気の「インセンス」、お土産に買っていきたい島レモンから作ったリキュールや柑橘ジュースを販売する「Limone」、こだわりの本格珈琲の飲めるカフェ「オミシマコーヒー焙煎所」も要チェックです。
伯方島
潮流体験もおすすめ
古くから製塩業が営まれ「塩の島」として知られてきた伯方島。芸予諸島のほぼ中央に位置し、海運業や造船業も盛んです。喜多浦八幡神社やふるさと歴史公園、鶏小島など水軍の面影が残る名所に加えて、重点「道の駅」伯方S・Cパークには、土産品の販売やレストランなどを完備する「マリンオアシスはかた」やテニスコートがあり、観光とスポーツの拠点になっています。豊かな自然や多島美を望むことができる「開山公園」や船を折るほどの潮流が川のように流れている「船折瀬戸」は、伯方島の絶景ポイント。その他、イルカやクジラと触れ合える日本最大級の触れ合い施設である「ドルフィンファームしまなみ」、日本最大の海賊と呼ばれた能島村上氏の本拠地である宮窪瀬戸を巡る潮流体験なども、サイクリング途中にぜひ立ち寄りたいスポットです。グルメを楽しむなら、海を眺めながらスイーツとともにゆっくりとした島時間を堪能できる「Patisserie T’s café玉屋」や、瀬戸内海をイメージし伯方の塩をベースに作り上げた塩ラーメンが人気の「伯方の塩ラーメンさんわ」へどうぞ。
大島
瀬戸内海の絶景を堪能!
瀬戸内しまなみ海道の四国側の玄関口、今治と来島海峡大橋で結ばれた大島はかつて能島村上海賊の本拠地があった“海賊ゆかりの島”です。村上水軍博物館の展示品や夏に行われる水軍レースなどから、瀬戸内海を本拠地とした村上海賊の活躍を知ることができます。漁業も盛んで、新鮮な魚介類は美味。高級御影石の大島石の産地としても有名です。亀老山展望公園やカレイ山展望公園など、瀬戸内海を一望できるビューポイントが多いのも特長のひとつです。重点「道の駅」よしうみいきいき館を拠点に、「来島海峡急流観測船」でうずしお体験をするも一興。「よしうみバラ公園」では新緑の季節から初冬まで、美しいバラが花を咲かせています。瀬戸内海が眼前に広がる店内で優しい味の料理を堪能できる「食堂みつばち」、大島石と木目が印象的な材木で作られた癒しカフェ「石のカフェ」、自家製天然酵母を使ったオーガニックパンが人気の「ペイザン」、落ち着きのある安らぎ空間の古民家カフェ「みやくぼ しまのダイニング」、地産地消の料理を味わえる「サンライズ糸山 風のレストラン」でほっこりとした時間を過ごすのもおすすめです。
しまなみ海道サイクリングマップ
しまなみ海道自転車道利用促進協議会では、サイクリングだけでなく、グルメ・食・宿泊、アクセス情報(JR、飛行機、船、バス)を提供しています。