福山市にある港町・鞆の浦。歴史ある町並みや港の風景がよく知られるこの町は、実際に歩いてみると、人の暮らしがすぐそばに感じられる場所だと気づきます。

坂道を上がれば視界の先に海があり、港のすぐそばに古くからの家並みが続きます。

今回の旅のお供は、ひろくまと、フィルムカメラ「写ルンです™(以下、写ルンです)」。鞆の浦の絶景を目に焼き付けながら、愛らしいひろくまと一緒にシャッターを切りました。

ひろくまとは?


©ひろくま

広島県に住んでいる、ごく普通のくま。
おいしい食べ物を食べすぎていたら、HITひろしま観光大使にも任命されちゃいました。
街で見かけたら、あたたかく見守ってあげてくださいね。

ぬいぐるみと一緒に楽しむ“ぬい活”は、旅先の風景や人との距離を、少しだけ近づけてくれます。

鞆の浦をゆっくり巡る、レトロさんぽ。ひろくまを連れてカメラを片手に歩いてみる、こんな半日コースはいかがでしょうか。

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ひろくまと一緒に、港町の鯛めしをいただく

旅の始まりはお昼どき。この町で、おいしい鯛めしが味わえると聞き、ひろくまと一緒に店ののれんをくぐりました。

港町らしく、鯛を主役にした料理が評判のお店。鯛めしを目当てに足を運ぶ人が多く、昼の早い時間帯から多くの注文が入ることも少なくないそうです。

注文したのは「鯛めしデラックス」。名前のとおり、運ばれてきた膳の上には、鯛めしをはじめ、刺身、小鉢、汁物が並びます。

おひつに盛られたごはんと、別添えの茶碗で提供される鯛めし。ごはんは出汁の色をまとい、ごろっと入った鯛のうま味がしっかりと染み込んでいます。

鯛の刺身は厚くてぷりぷり。その日の鯛のコンディションを見ながら、いちばんおいしくなるように準備しているそうで、火を入れた鯛めしとはまた違った食感と味わいを楽しめました。

瀬戸内海に面したこのあたりでは、鯛は昔から身近な魚として食べられてきました。祝いの席で食べられる印象もある鯛ですが、瀬戸内沿岸では日々の食卓にも並んできた魚なのだそうです。

テーブルの奥にちょこんと座るひろくまを眺めながら、ゆっくりと箸を進めるランチタイム。このあと歩く港町の景色を思い浮かべながら、まずは腹ごしらえです。

坂を上った先で出会う、海を見下ろす一杯

ランチのあとは、海を見下ろす場所にあるカフェへ向かいました。

港沿いの道から一歩入ると、家並みの間に坂道が延びています。ゆっくりと上っていく途中、路地の隙間から海が見え、振り返るたびに景色が少しずつ変わっていきました。


ひろくまを連れて坂道を上る。運がよければ散歩している猫ちゃんに会えるかも。写ルンですで撮影

たどり着いた先に広がっていたのは、想像していた以上に穏やかな海の景色!「ここまで来てよかったな」と、自然と気持ちがほどけました。


穏やかな瀬戸内海を眺めながら落ち着けるテラス席

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提供:店主の方のInstagramより

テラス席からは、季節や時間帯によって異なる鞆の浦の景色を楽しむことができます。

テラス席に腰を下ろし、ひろくまと一緒にひと休み。コーヒーを注文すると、焙煎にこだわった豆の香りが漂ってきました。

穏やかな海と、歴史ある街並み。しかしこの景色は当たり前に存在するものではなく、鞆の浦に住む人によって守られてきました。このカフェは、鞆の浦の景観を多くの人に見てもらい、そしてこの景色を大切にしてほしいという思いから、この場所に設けられたそうです。港を一望できる立地に腰を下ろすと、この景色を楽しんでほしいという店主の気持ちが自然と伝わってきました。


写ルンですで撮った、鞆の浦の海とひろくま。

心地よい音楽が流れる空間では、地元の人が飲み物を片手に過ごす姿もあれば、初めての景色に目を輝かせる観光客の姿も。思い思いに、この場所での時間を楽しんでいました。

カップを手に、ひろくまと一緒に海を眺めるひととき。坂を上ってきた道のりも含め、この景色を味わう体験なのだと実感しました。

カメラで残したい、港町の輪郭とひろくま

カフェを出たあとは、港のまわりを散策します。

まず目に入ったのが、港のそばに立つ常夜燈。石造りの灯りは、この町の象徴として知られています。この常夜燈は江戸時代に建てられ、港に出入りする船の目印として使われてきたものです。

当時の港湾施設が、いまも大きく姿を変えずに残っている場所は多くありません。鞆の浦が、古くから港町として人と物の行き来を支えてきた歴史が、ここに凝縮されているように感じられます。

そしてこのあたりには、海へ向かって段々に伸びる雁木(がんぎ)が。雁木とは、潮の満ち引きに合わせて使われてきた港の石段で、船を着けたり、荷を運んだりと、港町で暮らす人々の生活を支えてきた場所です。

港は暮らしのすぐそばにあり、この風景からは、人々の営みが何世代にもわたって積み重なってきたことが感じられます。


写ルンですで撮影

鞆の浦の景色に、ひろくまの存在がなじみ、町の空気感が伝わる一枚。

「写ルンです」で撮影する場合は、構図をつくり込みすぎず、その場の雰囲気をそのまま残すのがおすすめ。フレームの中にひろくまが入ることで、その景色が“町を歩いた時間”として写ります。

本を通して町とつながる、古民家の時間

港のまわりを散策したあと、少し奥へ入った場所で、古民家を活用したカフェ兼私設図書館を見つけました。


写ルンですで撮影

引き戸を開けて中へ入ると、靴を脱いで上がるつくりで、木の床や柱がそのまま残されています。

室内には平置きされた本や、小さな台にまとめられた本が並んでいました。地域の人が持ち寄ったものに加えて、瀬戸内のほかのエリアで行われている私設図書館の活動を通してこの場所にやってきた本もあるそうです。

こだわりのコーヒー、手づくりのレモンケーキを味わいながら、ひろくまと一緒に本に囲まれた時間を過ごしました。

店主の方は、関東から家族でこの町に移り住んできたのだと話してくれました。いまは子育ての真っ最中で、近所のおじいちゃんやおばあちゃんが声をかけてくれたり、子どもの様子を気にかけてくれたりすることが、日々の支えになっているそうです。


店主の方が仲間と一緒に制作した、鞆の浦の日常を切り取った書籍『ともたち』と一緒に。写ルンですで撮影

ここに集まった本を通して、ほかの地域ともつながりながら、この町に根を張っている……。ここでゆったりと時間を過ごしていると、そんな店主の鞆の浦での暮らしを少しだけ体験できたような気分になれました。

景色ごと味わうフロートでリフレッシュ

再び歩いていると、港のすぐ目の前に、人だかりのできているお店をみつけました。

ここは、鞆の浦の景色を眺めながら楽しめる飲み物やスイーツを提供するカフェ。注文したのは、港や空をイメージした色合いのソーダフロートです。

ひろくまとソーダフロートを持って、港を背景にパチリ。グラス越しに見る海の色と、飲み物の色が重なって、写真撮影にも気合いが入ります。


友達とお揃いのドリンクを頼んでもかわいい。写ルンですで撮影

お店の方は、「これからも瀬戸内のレモンなど、この土地らしさを感じられる素材を使いながら、景色と相性のいい一杯を増やしていきたい」と話してくれました。港を眺める時間ごと楽しんでもらえるような工夫を重ねていきたいのだそうです。

雁木に腰掛けながら、炭酸のさわやかさとほどよい甘さでリフレッシュ。このあと迎えるマジックアワーに向けて、もう少し港を歩いてみたくなりました。

※ぬいぐるみと一緒に食事や撮影を楽しむ際は、お店や周囲への配慮を忘れずに。お店ごとのルールを尊重しながら、気持ちのよい旅を楽しみましょう。

港町のマジックアワーを、ひろくまと迎えよう

今回鞆の浦に来た目的は、日没の空と鞆の浦の海が交わりグラデーションのように見える、マジックアワーを見るためでもあります。港で出会った方に、空がひらけて見える場所を教えてもらいました。

たどり着いたのは、海に向かって伸びる桟橋です。視界を遮るものが少なく、目の前には海が広がり、その奥に島々が浮かんでいます。

しばらくすると、空の色がゆっくりと変わり始めます。青かった空にオレンジがかかり、グラデーションのようになっていく。その移り変わりはとてもゆるやかで、いつもの時間の流れとは違うように感じられました。

海越しに振り返ると、昼間歩いてきた町並みも、徐々に夜の表情へ。シャッターを切ると、空と海の境目がやわらかく写り、この瞬間の空気が残る一枚になりました。

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ひろくまと一緒に、ゆっくり迎えたマジックアワー。今回提案した鞆の浦の旅には、そんな締めくくりがよく似合います。

ひろくまと楽しむ、鞆の浦の余白時間をまたいつか

昼どきから日が沈むまで、鞆の浦の町を歩いて過ごしました。

ひろくまと一緒に歩くことで、食や景色はもちろん、町の表情や人のまなざしにも、さらに目が向くように。そんな旅だからこそ見えてくる、鞆の浦の雰囲気があったように思います。

またゆったり歩きたい、と思える余白が残ること。それこそが、鞆の浦という町の魅力なのかもしれません。

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