吉島小学校

HITひろしま観光大使としてこれからも広島の魅力を伝える
広島市立吉島小学校の5年生がHITひろしま観光大使に任命され、2025年3月14日に任命式が行われました。5年生の皆さんは1年間を通して総合的な学習の時間に広島の魅力について考え、最終的に広島の「食の復興」と「人口流出を防ぐこと」をテーマに取り組みました。自分たちで調べたことを広島市立舟入高等学校の生徒や福島・東京の小学生に発表し、戦後の広島の食生活や企業の関わり、広島の魅力を県内外に向けて発信しました。
Profile
広島市立吉島小学校 5年生担任 花田先生
5年1組と2組のそれぞれの教室で任命状と名刺を進呈する任命式が行われました。どちらのクラスでも任命状が読み上げられ、代表の児童に手渡されると大きな拍手が起こりました。任命状と一緒に大使の名刺も配られ、ほとんどの児童にとって初めては手にする名刺に「すごい!」「かわいい」といった喜びの声が溢れていました。早速、あちらこちらで嬉しそうに名刺を交換する様子が見られました。
(花田先生)
最初にHITひろしま観光大使に任命されるという話をしたときにはあまりピンときていない様子でした。「広島の魅力を発信する」という観光大使の役割を説明すると、自分たちが取り組んだことは同じだと分かったみたいです。
5年生の総合的な学習の時間では「広島愛の発信」に取り組むことは決まっていたものの、「食の復興」と「人口流出を防ぐこと」というテーマに辿り着いたのは、子どもたちが自分たちで考えて行動した結果だったそうです。広島のことを伝えるためには、戦後復興の歴史は欠かせません。復興に関わる企業を調べる中で、子どもたちは人の生活を豊かにする「食」を担う企業に注目しました。広島平和記念資料館での聞き取り調査をはじめ、広島に根差し、全国にも展開する3つの企業、アンデルセン、オタフクソース、三島食品を訪問。3社の製造工程を見学したり、企業理念を学んだりしました。
(花田先生)
子どもたちが主体となってアポイントの電話などをしました。電話をするときには子どもたちはすごく緊張していましたが、終わった後は充実感と達成感のある表情をしていました。普段接することのない大人とやり取りすることも子どもたちにとっては大きな経験になったのではないでしょうか。
1月には舟入高校を訪れて、高校生に学習成果を発表しました。直接高校生の前でプレゼンテーションができたことは子どもたちにも印象深い思い出になったようです。2月には福島県と東京都の小学生にオンラインで発表会と交流会を実施。福島では広島の企業を知らない子どもたちも多く、「広島のことを知ることができた」という感想が聞かれました。東京の子どもたちからは「3社の商品は家でも使っているけれど、その背景は知らなかった」といった反応があったそうです。
(花田先生)
県外の小学校とオンラインで交流するのは、5年生の児童と私にとっても初めての試み。広島の企業や歴史を知ってもらえた一方で、「広島自体の魅力発信にはあまり繋げられていなかった」と子どもたち自身で反省点を見つけていました。自分たちの発表を客観的に振り返り、新たな気づきを得ることができたと思います。
任命式が行われた3月14日は、次に5年生となる4年生にまとめを発表するため、何をどうやって伝えるかという話し合いが行われていました。4年生にどこを引き継いでほしいか質問すると、「僕たちの取り組みは参考にしてもらいつつ、テーマは全然違っていいと思う。みんなで興味がもてることを調べてほしい」「広島の魅力を伝えるという活動を続けてほしい」と答えてくれました。そして、「6年生になっても、卒業しても広島を盛り上げたいという気持ちは変わらない」と、広島や地域を元気にしたいという想いを述べてくれました。
(花田先生)
子どもたちは広島について全然知らないところから1年かけて、食の復興・転出超過という難しい問題まで取り組むことができました。6年生では平和についてもっと深く学習することになります。小学校の時だけではなく、卒業した後も広島を知って好きになった上で、HITひろしま観光大使として沢山の人たちに魅力を伝えていってほしいと思っています。