嚴島神社同様に海の上に佇む数々の世界遺産を紹介
嚴島神社同様に、海の上に佇む数々の世界遺産を紹介します。歴史的思想や背景が生んだ精巧な建築美、大自然の蓄積がみせる絶景美、廃墟が醸す魅力など、後世まで遺し続けていきたい名所ばかりです。一生に一度、一か所でもいいので、その壮大なスケールを体感しに訪れてみたいもの。
モン・サン=ミッシェル(フランス/1979~2007年世界遺産登録)
幻想的な孤高のキリスト教聖地
「聖ミカエルの山」を意味するモン・サン=ミッシェルは、フランス北西部に位置するサン・マロ湾内の岩山に築かれた巨大な修道院です。966年にノルマンディー公リチャード一世が建て、13世紀頃に現在の形になったといわれています。最大15 メートルにもなる潮の干満の差から、大きく変化して見えるその姿は“西洋の驚異”と称されています。北面には3層から成るゴシック様式の最高傑作「ラ・メルヴェイユ」があり、塔の先端には聖ミカエルの黄金像が佇んでいます。2007年に世界遺産として登録されましたが、それ以前1979年にフランスの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼地」の一部としても登録されていました。
オペラハウス(オーストラリア/2007年世界遺産登録)
貝殻のようなユニークなデザイン
オペラハウスはシドニーのポート・ジャクソン湾に突き出たところに建っています。大規模で難関な場所であるため、工期が延び完成予定より10年遅れた1973年に完成。貝やヨットの帆を思わせる独創的な形をした建物は、20世紀を代表する近代建築ともいわれています。コンサートホール、オペラ劇場、ドラマシアター、スタジオホールなどがあり、シドニーを訪れる観光客の記念撮影スポットとして最もメジャーなスポット。世界遺産登録のなかでも最も新しい年代の建物でもあります。
自由の女神(アメリカ/1984年世界遺産登録)
勇ましい自由と平和のシンボル
ニューヨーク湾のリバティ島にそびえたつ女神像は、アメリカ合衆国の独立百周年を記念してフランス国民が贈呈し1886年に完成しました。正式名称は「世界を照らす自由」で、右手にたいまつを空高く掲げ、左手に独立宣言を持っています。
台座部分を含めると93メートルもある巨大なもの女神像の足元には引きちぎられた鎖と足かせがあり、これを女神が踏みつけていることから、すべての弾圧、抑圧からの解放と人類は皆自由で平等であることを象徴としています。また、女神が被っている冠には7つの突起がありますが、これは7つの大陸と7つの海には自由が広がっていることを意味しているといわれています。
グレート・バリア・リーフ(オーストラリア/1981年世界遺産登録)
宇宙からも確認?!巨大サンゴ礁
オーストラリア大陸北東部クイーンズランド州東岸の沖合に広がる、世界最大のサンゴ礁地帯。その長さはなんと長さ約2,000キロメートル、サンゴ層の厚さは最大152メートルにも達し、宇宙空間からも確認ができるという驚異的な規模を誇っています。この海域には900もの島があり、海の生き物の宝庫として生物多様性を支える重要な役割を担っていることからも、1981年世界遺産(自然遺産)に登録されました。
軍艦島(日本/2015年世界遺産登録)
廃墟の魅力を再発見
長崎県の長崎港から南西の海上約17.5キロメートルのところに浮かぶ端島は、その姿・形から、通称「軍艦島」と呼ばれています。明治時代に、この島では石炭採掘が始まり、多くの人々が炭鉱夫として働き島は栄えました。しかし時代とともに閉山してやがて無人島となりました。最近になって廃墟の島が脚光を浴び、2009年に上陸が解禁になって以来、累計80万人を超える観光客が訪れているといいます。2015年7月に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」として世界遺産登録されたのです。