特別展 「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」【ひろしま美術館】
「人間とは何か」を絵にする
当館所蔵作家である鴨居玲(1928-85)は、その没後、回顧展が5年ごとに開催されてきました。本展はその8回目となりますが、洋画家としては異例の回数であり、その独特な作風に対する人気の高さを物語っています。戦後の奇才と称された鴨居は、生涯をかけて「人間とは何か」を絵にした画家でした。自身にとっての「写実」とは「見えないもの」、すなわち自身の理念を描くことであるとした鴨居の作品は、独特な仄暗い色彩表現を用いることで劇的に演出された、自己のロマンティシズムに基づくモティーフの誇張表現が目を引きます。制作において、モティーフの選択に一番時間をかけた鴨居にとって、モティーフは彼が心惹かれ焦がれる人間の性さがを表現するために重要なものでした。
本展では、芝居っけたっぷりに人を煙に巻く人柄であったという鴨居の残した作品ついて、生涯描き続けた「自画像」、酔うことで慰めを得る人間の姿を描いた「酔っ払い」、後半生に挑んだ「女性像」、宗教と人間の関係性について問う「教会」など、繰り返し描かれたモティーフに着目することで、彼が描こうとした人間の性、すなわち彼の芸術像に迫ります。加えて、歴史小説家の陳舜臣の連載エッセイ『弥縫録 中国名言集』のために描かれた挿絵原画も特別出品し、初期から晩年までの幅広い鴨居作品を紹介します。

INFORMATION
- 開催期間
- 2025/09/13(SAT) - 2025/11/03(MON)
- 開催時間
- 9:00~17:00(入館は16:30まで)会期中無休
- 開催場所
- ひろしま美術館
- 料金
- 一般2,000(1,800)円、高大生1,000(800)円、小中生500(300)円
※( )内は前売または団体(20人以上)の料金です。
※未就学児童は無料です。
※本展の入館券でコレクション展示もご覧いただけます。コレクション展示のみの入館券は販売しておりません。
※障がい者手帳をご提示の方は、ご本人と同伴者1人が無料になります。
※65歳以上の方は1,800円となります。当日受付に年齢確認の出来るものをご提示ください。
- 住所
- 広島県広島市中区基町3-2(中央公園内)
- 電話番号
- 082-223-2530