かつては依り代としても信仰されていたと思われるカヤの大樹

安佐北区の鬼ケ城山西側斜面に広がるヒノキ林の奥深く溪流のほとりに大きなカヤの木があります。根元はヤブニッケイの低木とぴったりくっついており、幹の上にはヤブツバキ、カズラ、フジなどの着生(ちゃくせい)植物も見られます。
この木の正確な樹齢はよくわかりませんが、文政2年(1819年)に藩に提出された報告書に、すでに可部地方の巨木として載せられているのでかなりの老木と思われます。
また樹幹には「山の神」と書かれた木札が掛けてあります。これは神が地上に降り立つ時の「依り代(よりしろ)」であるとして、この木を信仰していた昔の人々が与えた名前でしょう。
溪流に洗われながらも力強く根を張って立つ姿は、まさにその名にふさわしいものです。
カヤは広く日本全域に分布し、材質が緻密で美しいことから、上質の木材として将棋盤などによく使われる木です。
成長は大変遅いのですが、まれに樹高25m、胸高幹囲で直径2mに達することもあります。
このことからこのカヤは、ほとんどその極限近くまで生育しているとも言えそうです。

所在地:広島市安佐北区可部町上原
指定年月日:昭和48年(1973年)5月30日
概要:樹高約16m 根廻り4.01m

INFORMATION

営業時間
年中無休
住所
731-0225広島県広島市安佐北区可部町上原登竜428-2

ACCESS

731-0225 
広島県広島市安佐北区可部町上原登竜428-2

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