瀬戸内海に浮かぶ島々を、庭園をわたる飛石(とびいし)にたとえて名付けられた「安芸灘とびしま海道」。朝鮮通信使や参勤交代大名の寄港地として栄えた下蒲刈島「三之瀬地区」、伝統的な建造物が残る大崎下島「御手洗地区」はおすすめの立ち寄りエリアです。
「安芸灘とびしま海道」って?
飛び石の島々を連絡架橋で結ぶオーシャンロード
呉市の南東に位置する下蒲刈島から愛媛県今治市の岡村島を7つの橋で結ぶ「安芸灘とびしま海道」。島々が庭園を渡る飛び石(とびいし)をイメージさせる連絡架橋ルートです。本州と下蒲刈島を結ぶ安芸灘大橋は有料ですが、ほかの橋はすべて無料のため島々を巡るにはドライブが最適!安芸灘とびしま海道エリア内にある指定施設で合計1,000円以上利用すると、安芸灘大橋の回数通行券と交換できます(安芸灘大橋を現金での利用の場合)。
歴史と文化が感じられる三之瀬地区(下蒲刈島)
潮待ち、風待ちの港町として栄えた御手洗地区(大崎下島)
「重要伝統的建造物群保存地区」に選定
御手洗地区は江戸時代に天然の良港として栄え、その賑わいは昭和まで続いていました。現在も明治、大正、昭和時代の建物が残っており、その町並みはまるでタイムスリップしたかのような雰囲気。千砂子波止や高燈籠、船を結ぶ柱などが当時のまま現存しています。まず、御手洗地区の地図やパンフレットがある「潮待ち館」に立ち寄ってから散策しましょう。町を見下ろせる高台に設けられた「歴史の見える丘公園」からは瀬戸内海に点在する島々が一望。大崎下島は2012年に公開された映画『ももへの手紙』の舞台となっている、架空の島「汐島」のモデルになった趣のある島です。(平成6年には文化財保護法によって御手洗地区の町並みが「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。)
上蒲刈島、豊島、岡村島(愛媛県)の楽しみ方
のんびり、ゆったり、島の魅力を体感
上蒲刈島の南東に位置する「県民の浜」では海水浴をはじめシーカヤックなどのマリンスポーツが楽しめます。敷地内では古代土器による「藻塩作り」などの珍しい体験が可能。特産の藻塩を使用した「藻塩アイス」「藻塩めん」は人気です。手付かずの自然がそのまま残り、穏やかな風情を醸し出す豊島。漁業町として知られ、一本釣りしたタチウオは鮮度がよく傷が少ないため、「豊島のタチウオ」ブランドとして注目されています。愛媛県の岡村島の港は潮待ち港として知られ、弘法大師や菅原道真が中国に渡る際に立ち寄ったとされています。南端にある「ナガタニ展望台」からは大三島や大島など、瀬戸内しまなみ海道の島々が一望できます。
呉市の楽しみ方&アクセス
軍港として栄えた町を散策しよう
海軍ゆかりの町として知られる呉市の見逃せないスポットやおすすめグルメを紹介。「呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)」では10分の1スケールの巨大な戦艦大和の模型が出迎えてくれます。零式艦上戦闘機、人間魚雷などの実物資料が展示されており、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えてます。「海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)」は実物の巨大潜水艦を陸上に展示する博物館です。館内にはベッドや潜望鏡などが再現されていて、実際の潜水艦での生活を体感できます。また、町のあちこちで旧海軍のレシピをもとに独自のアレンジを加えた海軍メニューが味わえます。海上自衛隊呉基地に所属する艦艇等で食べられているカレーを再現した「呉海自カレー」はおすすめです。