演目の特徴を知るともっと神楽が楽しめる!
神楽の演目によってリズムや衣装の豪華さなどは違いますが、どの演目も生のお囃子と迫力ある舞で観客の心を魅了します。基本は勧善徴悪なのでストーリーも明快で分かりやすのも特徴。広島神楽で舞われている18の演目をご紹介します。
儀式舞(ぎしきまい)
鐘馗(しょうき)
岩戸(いわと)
弟・須佐之男命(すさのおのみこと)の暴虐ぶりに怒った天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、天の岩戸にお隠れになってしまわれた。すると、高天原は暗闇となり悪行をはたらく神も出てきた。八百万の神々は天照の出現を願って岩戸の前で神楽を舞い、天照を誘い出す。そして、この世は再び明るくなり、神々は喜びの舞いを舞う。天岩戸の神話は、我が国最初の神話。六調子も八調子もあるが、最も神聖視されている演目であり、神楽のストーリーには珍しいほのぼのとハッピーな物語。
八幡(やはた・はちまん)
九州豊前国の宇佐八幡宮に祀られている八幡の神・誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)が、異国から飛来した"第六天の魔王"と称する悪魔王に立ち向かい、桑の弓(神通の弓)、オモの矢(方便の矢)を持って、従者・門丸とその悪魔王を退治する物語。八幡の神のご威徳を讃える神楽。
恵比寿(えびす)
【注目コラム】
めでたい神楽として有名
愉快で滑稽な舞いが人気で心の和む演目。最近では落成式や結婚式等でも広く舞われています。
天神(てんじん)
右大臣菅原道真は、左大臣藤原時平の讒言によって、築紫大宰府に左遷される。しかし、道真は、賊臣をこのままにしておけば、国家の安泰はおぼつかないと考え、雷神となり、時平を懲らしめようとする。悪心をおこした時平は道真を迎え撃つが、ついには倒されてしまう。没後、道真の霊は神に祀られて、"天神"と崇められるようになり、北野天満宮、太宰府天満宮など、全国各地に天満宮が勧請された。
塵倫(じんりん)
葛城山(かつらぎざん)
【注目コラム】
おすすめ!
〜「土蜘蛛」とも称されるポピュラーな演目〜
土蜘蛛(つちぐも)をやっつける早いテンポの舞いが見どころです。
大江山 (おおえやま)
【注目コラム】
おすすめ!
〜戦うシーンが迫力満点〜
登場人物が多く見ごたえがあり、人気の高い演目です。
神武(じんむ)
日向の国高千穂を治めていた若御毛沼命(わかみぬけのみこと)は、大和の国へ行くことにし、先ずは紀ノ国熊野へと赴く。上陸してすぐに化熊に襲われたが、その難を退け、ようやく大和の国へとたどり着く。しかし、そこでは長髄彦(ながすねひこ)との戦いになり、命は金鵄の助けで勝利する。その後、命は、畝火山のふもと橿原の地を都と定め、神倭磐余彦命(かみやまといわれのみこと)―すなわち、神武天皇と名を改め、日本国を建国した。この演目は、明治 16年頃に千代田町壬生の神楽団の求めに応じて井上頼寿氏が創作した記録が残っており、広島県が生んだオリジナルの演目として知られている。
日本武尊(やまとたけるのみこと)
(1) 東国平定に旅立った日本武尊は、途中、駿河の国で小鬼の兄ぎし、弟ぎしに謀られ、八方より火をかけられて絶体絶命のピンチに。しかし、伯母の大和姫より授かった宝剣・天叢雲剣で草を薙ぎ払い(よって"草薙の剣"と改名)、守り袋の火打ち石で小鬼どもを退治した。
(2) 景行天皇の御代、筑紫の国で権勢を誇り、大和朝廷に背いていた川上武を征伐するために、第二皇子・倭男具那命(やまとおぐなのみこと)は下向する。命は女装して武に近づき、酒宴の機を見て武を討ち取る。武は、「命は日本一の武勇者である。よって、これからは我が名を一字奉り"日本武尊"と名乗るように。」と、進言して絶命した。
『日本武尊』のストーリーは、このように古事記からの出典である(1)<東夷征伐>と(2)<熊襲征伐>の2つが存在する。
戻り橋(もどりばし)
滝夜叉姫(たきやしゃひめ)
紅葉狩(もみじがり)
黒塚(くろづか)
大蛇(おろち)・八岐大蛇(やまたのおろち)
【注目コラム】
初心者向け!
〜誰もが知っている代表格の神楽演目〜
巨大な大蛇と須佐之男命との迫力ある立ち合いに注目です。