「今夏、広島のスクリーンで平和への思いを新たに」 “まちなか映画館”による平和関連映画の連携上映


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平和記念公園の原爆死没者慰霊碑
そのすぐ後方辺り
戦前そこには…
映画館「昭和シネマ」が建っていました
広島は近年、『ドライブ・マイ・カー』(2021年)などの話題作の舞台となり、映画の“ロケーション都市”としても知られるようになりました。しかし実は、広島は戦前から映画文化が根付いた“スクリーン都市”でもあります。
平和記念公園がある旧中島地区は、かつて市内有数の繁華街としてにぎわい、映画館も点在していました。そのうちの一つ「昭和シネマ」は、現在、原爆死没者慰霊碑のすぐ後方あたりに位置していたとされています。「昭和シネマ」の前身は、1911年(明治44年)に「世界館」として開館した、広島初の常設映画館でもあり、この場所は“映画館発祥の地”といえるでしょう。
1930年代には広島市内に約20の映画館があり、多くの市民が映画を楽しんでいました。しかし、1945年の原爆投下により、壊滅的な被害は映画館にも及び、残ったのは宇品地区にあった1館だけでした。
その後の復興とともに、映画館も街に復活して、1955年(昭和30年)には18館が人々に娯楽を提供しています。さらに、1960年(昭和35年)には市内に約64館が営業し、広島の映画興行の黄金期を迎えました。
このように、広島は戦前から現在に至るまで、映画が人々の暮らしに寄り添ってきた都市です。広島の映画館でスクリーンを見上げることは、かつてこの地で生きた人々とつながるような体験ともいえるかもしれません。
たとえば、アニメーション映画『この世界の片隅に』では、戦前の福屋百貨店が登場しますが、その建物は被爆を経て現在も残っており、8階にある映画館「八丁座」でその作品を観ることができます。また、被爆直後の記録映画『広島・長崎における原子爆弾の影響』(1945年秋撮影)では、焦土と化した基町一帯が映し出されており、現在、その地に建つ「広島市映像文化ライブラリー」で上映されます。
映画館での体験は、ひとりでも、誰かと一緒でも、同じ空間で映画を観る観客同士が一つの物語を共有する、かけがえのない時間です。
気軽に立ち寄れる“まちなか映画館”のある広島。そんな広島ならではの文化的な魅力に、ぜひ触れてみてください。
“まちなか映画館”とは、爆心地から2km圏内に位置する4つの映画館(八丁座、サロンシネマ、横川シネマ、広島市映像文化ライブラリー)などを含みます。
被爆80周年となる今夏、これら4館では、広島や長崎だけでなく、沖縄や日本各地、さらに海外を題材にした戦争や平和に関する50本以上の作品が上映されます。劇映画、ドキュメンタリー、アニメーションなど多彩なジャンルがそろい、原爆を扱った名作だけでなく、新作や家族向けの作品まで幅広いラインナップが用意されています。
中には、現在では広島でしか上映されていない貴重な作品も含まれています。
この夏の広島旅行に、映画館での特別な体験を加えてみてはいかがでしょうか。観光の合間に立ち寄るのはもちろん、映画鑑賞を旅のメインにしてもきっと心に残る時間となるはずです。

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![02-『ひろしま』©奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト] 提供:独立プロ名画保存会](https://image.dive-hiroshima.com/wp-content/uploads/2025/06/02-『ひろしま』©奇跡への情熱核廃絶プロジェクト 提供:独立プロ名画保存会.jpg)

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(本記載内容は 2025 年 6 月 17 日時点の予定です)
※最新情報、料金等は各館公式サイト等をご確認ください。
| 「太陽(ティダ)の運命」 | 6/27(金)~公開 | サロンシネマ |
| 「陸軍中野学校」(市川雷蔵映画祭) | 7/11(金)or7/18(金)~公開 ※日替わり | 八丁座 |
| 「木の上の軍隊」 | 7/25(金)~公開 | 八丁座 |
| 「ジョニーは戦場へ行った」4K | 8/8(金)~公開 ※1週間限定日替わり | 八丁座 |
| 「野火」4K | 8/8(金)~公開 ※1週間限定日替わり | 八丁座 |
| 「愛と死の記録」【35㎜フィルム上映】 | 8/1(金)~ ※1週間限定上映 | 八丁座 |
| 「ひろしま」 | 8/1(金)~ ※1週間限定上映 | 八丁座 |
| 「オッペンハイマー」 | 8/1(金)~ ※1週間限定上映 | 八丁座 |
| 「長崎―閃光の影で―」 | 8/1(金)~公開 | 八丁座 |
| 「この世界の片隅に」アニメーション | 8/1(金)~公開 | 八丁座 |
| 「原爆スパイ」 | 8/1(金)~公開 | 八丁座 |
| 「清作の妻」(若尾文子映画祭) | 8/22(金)~ ※日替わり数回上映 | 八丁座 |
| 「その夜は忘れない」(若尾文子映画祭) | 8/22(金)~ ※日替わり数回上映 | 八丁座 |
| 「東京裁判 4Kデジタルリマスター版」 | 8月予定 | 八丁座orサロンシネマ |
| 「黒川の女たち」 | 8月公開予定 | 八丁座orサロンシネマ |
| 「遠い山なみの光」 | 9/5(金)~公開 | 八丁座 |
| 《第12回広島イラン愛と平和の映画祭2025》 | 8/2(土)~8/8(金) | |
| 「ジュノー」アニメーション | 上記の会期内 | 2010年作品 |
| 「ひめゆりの塔」【35㎜フィルム上映】 | 6/27(金)、6/28日(土) | 1953年作品 |
| 「黒い雨」【35㎜フィルム上映】 | 6/29(日) | 1989年作品 |
| 「さくら隊散る」【35㎜フィルム上映】 | 7/3(木)、7/11(金)、7/20(日) | 1988年作品 |
| 「ゆきゆきて、神軍」【35㎜フィルム上映】 | 7/16(水)、7/31 (木) | 1987年作品 |
| 「軍旗はためく下に」【35㎜フィルム上映】 | 7/17(木)、7/30(水) | 1972年作品 |
| 「太陽の子 てだのふあ」【35㎜フィルム上映】 | 7/18(金)、7/19(土) | 1980年作品 |
| 「平和記念都市ひろしま」【35㎜フィルム上映】 | 7/2(水)、8/6(水) | 1950年作品 |
| 「広島・長崎 1945年8月」 | 7/5(土) | 1970年作品 |
| 《地域ドキュメンタリーでふりかえる被爆80年》 | 7/10(木) | 1982~2024年作品 |
| 「幻の全原爆フィルム日本人の手へ 悲劇の瞬間と37年目の対面」 | 7/12(土) | 1982年作品 |
| 「赤い月の街 ―呉空襲」 | 7/4(金)、8/20(水)、9/3(水) | 1985年作品 |
| 「戦場ぬ童」「太平洋戦争と沖縄」 | 7/9(水)、7/24(木) | 1985年、1995年作品 |
| 「予言」 | 7/13(日) | 1982年作品 |
| 「黒い雨にうたれて」アニメーション 【35㎜フィルム上映】 | 7/25(金) | 1984年作品 |
| 「クロがいた夏」アニメーション 【35㎜フィルム上映】 | 7/26(土) | 1990年作品 |
| 「千羽鶴」【35㎜フィルム上映】 | 8/1(金)、8/7(木) | 1958年作品 |
| 「父と暮せば」【35㎜フィルム上映】 | 8/2(土)、8/14(木) | 2004年作品 |
| 「ふたりのイーダ」【35㎜フィルム上映】 | 8/8(金)、8/16(土)、9/26(金) | 1976年作品 |
| 「TOMORROW 明日」【35㎜フィルム上映】 | 8/9(土)、8/21(木) | 1988年作品 |
| 「火垂るの墓」アニメーション【35㎜フィルム上映】 | 8/10(日)、8/11(月・祝) | 1988年作品 |
| 「新二等兵物語・吹けよ神風の巻」【35㎜フィルム上映】 | 8/15(金)、9/11(木) | 1959年作品 |
| 「夏少女」【35㎜フィルム上映】 | 8/17(日),8/22(金) | 1995年作品 |
| 「鏡の女たち」【35㎜フィルム上映】 | 8/23(土),8/27(水) | 2003年作品 |
| 「第五福竜丸」【35㎜フィルム上映】 | 9/4(木)、9/19(金) | 1959年作品 |
| 「生きていてよかった」【35㎜フィルム上映】 | 9/10(水)、9/18(木) | 1956年作品 |
| 「風の谷のナウシカ」アニメーション 【35㎜フィルム上映】 | 9/15(月・祝)、9/23(火・祝) | 1984年作品 |
| 「広島・長崎における原子爆弾の影響」【35㎜フィルム上映】 | 9/20(土)、9/21(日) | 1946年作品 |
| 「銀河鉄道999」アニメーション 【35㎜フィルム上映】 | 9/27(土)、 9/28(日) | 1979年作品 |