【おいしい広島】海の幸だけじゃない!中国山地が育んだ、極上の黒毛和牛「比婆牛」

日本全国に和牛ブランドが数ある中で、知る人ぞ知る「広島和牛」。
中国山地の清らかな水、豊かな自然環境、そして生産者たちの手間ひまをかけた飼育方法によって、肉質の柔らかさと旨みが凝縮された和牛として知られています。
その中でも、特に優れた肉質を誇る高級和牛として知られているのが、今回ご紹介する「比婆牛(ひばぎゅう)」です。
比婆牛は、広島県北部・庄原市(旧比婆郡)で生まれた黒毛和牛のブランド。
ここ庄原市は、中国山地特有の冷涼な気候で、古くから黒毛和牛の生育に適している地域です。
ブランド牛として脈々と受け継がれ、愛されてきた歴史がありますが、頭数が少なく、ほとんど地元で消費されることから、「幻の和牛」と言われています。
味わいは、細やかに入った霜降りと、赤身の旨みのバランスによってすっきりとしてうま味が際立つ、上品な甘さが特徴です。
比婆牛は古くから農作業やたたら製鉄などに欠かせない存在で、「農宝」として大切に守り繋いできました。
畜産家であった岩倉六右衛門が優良な牛を選出し、日本最古の四大蔓牛の一つ「岩倉蔓」 を作出。
庄原地域が町をあげて、代々にわたり改良され続けてきたのが比婆牛のルーツとなっています。
後に和牛のオリンピックと呼ばれる全国和牛能力共進会で二度全国制覇するなど、庄原は一躍和牛の名産地になりました。
※蔓(つる)牛とは、特定の地方に限定して飼養された、血統の結びつきが強い牛群のこと。
比婆牛は小ザシ (赤身に入る網目状の脂肪が細かいこと) が多いため、なめらかな口当たりを楽しむことができます。
その細やかな霜降りと、赤身の旨みのバランスによってすっきりとしてうま味が際立つ、上品な甘さが特徴的なお肉です。
比婆牛の脂には、オリーブオイルと同じオレイン酸が多く含まれ、悪玉コレステロールの抑制や生活習慣病の予防に効果があるとされています。
また、「人肌で溶けてしまうほど融点が低い」という特徴があるため、冷製や常温の前菜で楽しむのもおすすめです。ステーキや焼き肉とはまた違った「とろけるおいしさ」を堪能できます。
比婆牛には、他県産和牛と比較して赤身肉中に鉄やマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれていることがわかっています。
ミネラルの多さは味わいに影響することが知られており、比婆牛の特徴の一つである「旨味の強さ」のもとになっています。
ほぼ地元で消費されることから「幻の和牛」と呼ばれた比婆牛をこの機会に是非お試しください。
また、比婆牛の他にも特徴的な広島和牛を食べ比べてみると、また違ったおいしさや発見が楽しめるかもしれません!
肉通の方は是非比べてみてください。