村上海賊ゆかりの因島では、毎年3つのまつりで構成される「因島水軍まつり」を開催。鎧兜を身に着けた武将が登場する「島まつり」、暗闇の中で幻想的な大松明が練り歩く「火まつり」、村上海賊が使っていた船を再現した「小早(こはや)」レースで盛り上がる「海まつり」の3部で構成されています。3回に渡って開催されるお祭りは、それぞれ違った見どころがあるので、ぜひ体験してみてください。
祭りの成功と先人に感謝する「島まつり」
クライマックスの勝どきで大いに盛り上がる
勇壮な甲冑を身にまとった武者たちが出陣式を行い、聖なる火を受け取った因島村上当主吉充公が各城主に分け与える“火渡しの儀”が執り行われます。各城主より「火まつり」で行う「跳楽舞」参加チームと、「海まつり」で行う「小早レース」参加チームに参加許可「割り符」を配布する“割符授与の儀”も。クライマックスには参加者が集い、出陣の勝どきをあげて祭りを盛り上げます。
幻想的な武者の姿に感動!「火まつり」
武者が大集結する様子は圧巻の一言
夜の砂浜に松明を持った鎧武者が大集結。暗闇の中、火に照らされた武者が入陣する様子は圧巻です。そして、水軍の無事を喜び、勝利を祝って踊ったとされる「跳楽舞 はねくらべ」のコンテストが開催されます。多くの市民チームがリズミカルな踊りを披露!最後に打ち上げられる大筒花火は、祭りを一層豪華に演出します。
【注目コラム】
「跳楽舞(ちょうらくまい)」
村上海賊が因島に帰還する際に「トントコ トントコトントントン」と凱旋の太鼓を打ち鳴らして、島の人々に勝利と無事を報告。その音を聞いた島の人はなべ、かま、器など音の出るものを手にして、飛んで、はねて、踊りながら水軍を迎えました。この喜びの様子を現在に伝えた踊りが「跳楽舞(ちょうらくまい)」です。
迫力満点!「小早」レースを見学「海まつり」
村上海賊の船を再現した木造船が因島の海を疾走!
村上海賊が使っていた伝令船を再現した木造船「小早(こはや)」。当時はさまざまな戦略を用いて、小さな「小早」でも巨大な軍船を打ち破ることができたと言われています。「海まつり」では約1キロメートルのコースを競う「小早」レースを開催。櫂のこぎ手(14人)と舵取りの船頭、太鼓を打つ人の16人が力をあわせて船を漕ぐ姿は勇壮です。海上からの太鼓の音が鳴り響き、木造船が疾走する風景は因島の夏の風物詩となっています。