原爆ドーム・平和記念公園周辺の現在も活用されている被爆建物

被爆建物の中には現役で活用されているものがあり、その中には百貨店といった暮らしと密接にかかわるものも多くあります。より日常の身近なところで活用されている現存の被爆建物を通して、平和について考えてみましょう。

爆心地からの距離は380ｍ。古典様式の優れた外観を有する広島の昭和初期を代表する歴史的建築物で、被爆後も建設当時の姿をほぼ残しました。広島市の重要有形文化財にも指定されています。現在は建物公開も兼ね、イベント開催やギャラリー使用の場として使われています。

爆心地からの距離は410ｍ。爆心地にもっとも近い小学校で、広島市内の公立小学校では最初の鉄筋コンクリート造3階建ての校舎として建てられました。建物の一部を保存し、平和資料館として見学できるように公開しています。『はだしのゲン』に出てくる小学校は、この本川小学校がモチーフです。

爆心地からの距離は460ｍ。被爆当時「西校舎」と呼ばれていた旧校舎の一部分を保存し、平和資料館として見学ができるようになっています。児童や教職員、地域の人々の安否を尋ねるために壁に書かれた伝言が、当時の状況を知る貴重な資料として公開されています。

爆心地からの距離は710ｍ。広島を代表する地元のデパートです。当時は珍しい冷暖房設備を備えた近代的な建物で、人で賑わっていました。被爆の翌年にはいち早く営業を再開し、広島の復興に寄与しています。4度の増改築を重ねましたが、電車道路沿いの外観は被爆前の1938年に完成した当時そのままの姿を留めており、今も昔も人の賑わいを生み出す場所となっています。