「記憶にとどめておくべき」歴史を知る

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戦争のための核実験、独裁政治、人種差別、虐殺、人身売買など二度と繰り返してはならない「記憶にとどめておくべき」歴史を知っておきましょう。

海商都市リヴァプール(イギリス/2004年世界遺産登録)

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人権を奪い差別を極めた奴隷貿易

リヴァプールは18世紀~19世紀の大英帝国の絶頂期を支えた港町です。新大陸から産物を輸入して、産業革命で大量生産された製品を世界中に輸出する貿易で栄え、急激に大都市へと発展しました。当時の港湾地区と豪華な建物が並ぶ古い市街地が、世界遺産に登録されました。しかし、リヴァプールの商人たちが貿易で取り引きしていたのは、砂糖、綿だけでなくアフリカの黒人奴隷だったのです。これが「三角貿易」と呼ばれるもので、奴隷貿易という人身売買が当時のイギリスの繁栄をつくりだしていたのです。19世紀初頭には奴隷貿易はイギリスで禁止され、現在、リヴァプールの波止場には奴隷貿易に関する資料が展示されています。

ロベン島(南アフリカ/1999年世界遺産登録)

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アパルトヘイトを伝える島の博物館

南アフリカ・西ケープ州ケープタウンの沖合にあるロベン島は、流刑地としてアパルトヘイト(有色人種隔離政策)に反する者、難病患者隔離施設として使われていました。元南アフリカ8代大統領ネルソン・マンデラ氏もアパルトヘイト反運動を指揮したとして1964年から約18年間収監されていました。現在、島全体が博物館となっていて、ケープタウンのウォーターフロントから定期便が出ていて、元囚人のガイドさんが案内してくれます。

アウシュビッツ(ポーランド/1979年世界遺産登録)

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独裁政治下の残酷な人種差別

アウシュビッツは、第二次世界大戦中、アドルフ・ヒトラー率いるナチス党政権下のドイツによる、ユダヤ人に対し人種差別的な抑圧政策を行うためにつくられた強制収容所です。アウシュビッツでは、120万人ものユダヤ人の尊い命が奪われたといわれています。ユネスコの世界遺産委員会は、アウシュビッツで行われた残虐な殺戮行為が二度と繰り返されることのないようにと、世界遺産リストに登録しました。

ビキニ環礁(マーシャル諸島/2010年世界遺産登録)

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恐ろしい核実験で環境破壊

アメリカ合衆国は太平洋戦争核実験場の一つとして、信託統治領であったマーシャル諸島共和国に属するビキニ環礁で、1946~1958年にかけて23回の核実験を行いました。そのため島の住人170人は、無人島のロンゲリク環礁に強制移住させられ、漁業資源にも乏しい環境下で飢餓に直面したといわれています。また多数の漁船や島民が、核実験による“死の灰”を浴びたといいます。

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